液体ソープより、固形の石鹸派。いつの頃からかハワイを訪れると、必ずといっていいほど、自分や友人たちへ石鹸を買うようになっていました。そんな折、ハワイ在住の友人からマノアに暮らすご夫婦が手作りする石鹸をお土産にいただきました。
その名も「My Manoa」。
メインとなる材料はオリーブオイルやココナッツオイル。そこにプラスする素材のハワイ産のハチミツやコーヒー、グリーンティーなども、すべて口に入れられるものを使用。パッケージも自分たちでデザインし、包みの口を閉じるところまで、おふたりの手から生み出された石鹸です。
もとはコンピューター関係の仕事をしていた奥様のウィンディーさんが、自分の暮らしで手に取れるものを作りたいという想いから2011年、マノアに越してきて、ご夫婦でプロジェクトをスタート。棚も机も、少しずつ必要に応じて手作りし「最近ようやく工房らしくなってきました」とウェンディーさんは笑いながら話します。その言葉を聞きながら、静かに頷くご主人のマイクさん。ともに物作りをするおふたりの“あ、うん”の呼吸がわかる空気に包まれながらの会話の中、印象に残ったのはこんな一言でした。
「ナチュラルにこだわることが、私たちのいちばんのチャレンジ。今は香りもエッセンシャルオイルのみなので、香りの印象を強く残すことは難しいかもしれません。もっといい香りやカラフルな色をつけるのは化学的なものを使えば無限にできるし、それはある意味簡単なこと。オリーブオイルも残りカスのようなものではなく、ナチュラルで上質なものを惜しみなく使っています。そうしてできあがった石鹸は、使うたびに肌がきれいになっていくのがわかるものになりました。悩んでいる人には、これを使って心地良さを実感してもらいたいですね」
ナチュラルに挑戦。自然界に生きる者として、自然のものをありがたく使う。そんな好循環を生み出せたらと考え、誕生した「My Manoa」。見た目のかわいさだけではなく、ハワイを感じることができる石鹸で日々の疲れを洗い流す。小さくなっていく様を見て「あぁ、次の旅で買い足さなくちゃ」と、またハワイを思う私なのです。
オアフ島内でMy Manoaの商品の取扱い店舗:カイムキ「シュガーケーン」など
text : Kaori Akazawa, photos : Akira Kumagai, coordination : Maya McCullough, Web Edit: LeaLea
<2019/04/20の情報です>

- 赤澤かおり
- フリーライター&編集者。海の近くで暮らし、ハワイを旅すること、鎌倉や京都を中心に飲んで、食べる、作ることをライフワークとする。ユーズドのアロハシャツをワンピースやサーフパンツ、バッグなどにリメイクするブランド「Aloha Tailor of Waikiki」を主宰。ハワイに関する著書は共著を含め12作。近著に「HAWAIIAN PRINT BOOK」(ちくま文庫)。初の選曲とライナーを担当した、70年代・ハワイアンミュージック・コンピレーションアルバム「Da Aloha Music Mele Through HAWAIIAN PRINT BOOK」も。ハワイでのプライベートな日々を綴ったガイドエッセイ「Hawaii note」が好評発売中。