ハワイ島の北にはコハラという山があります。ハワイ島を一周する道路は、そのコハラを避けるようにしてそこだけ内陸を通っています。地図だけ見ると何故こうなっているのかわかりませんが、実際に現地へ行くと理由がよくわかります。コハラエリアの海岸線は崖っぷちのようになっていて、それが何キロも続いているのです。
ハワイ島の北部を走るハワイ州道270号線は、崖にぶち当たるようにして終わります。目の前は崖で、はるか下に黒い砂のビーチが見えます。そこにあるのがポロル渓谷です。クルマで移動する現代において、崖っぷちが続くエリアは近づきにくい場所です。そんなこともあって、現在はポロル渓谷に住んでいる人はいません。
が、かつて、ハワイアンは船で移動していました。砂浜が広がっていて、内陸へ入れば川が流れているような場所は住みやすいところでした。ポロル渓谷はそういう意味では素晴らしい場所です。かつてはたくさんのハワイアンが住んでいました。初代カメハメハ王は、若い頃、このポロル渓谷からワイピオ渓谷までを庭のように行き来していたそうです。
真っ青な海を眺めながらポロル渓谷へ降りていく散策道はかなり見応えがあります。が、ハワイアンの歴史を知ってから降りると、もっとジーンとくるかもしれません。

- へなしゅん
- 福井県若狭地方生まれ。30歳を越えてからハワイ情報サイトの編集長としてハワイ入りし、ハワイ生活は20年超え。現在は日本で「ハワイ」を追い求める日々。WEBをやっているけれど、WEB技術は20年前レベル。英語も満足に話せないまま。ハワイ史が好きでいろいろ調べたけれど、ハワイの象徴・フラは未経験、ウクレレもハワイ語もすべて中途半端なレベルというダメなおっさん。でも、記事は細かく作っている(つもり)。