ハワイ固有の踊りのこと。フラはハワイ語で「踊る」という意味の言葉です。日本で「フラダンス」と言われてたりしますが、あれは間違い。「フラ」で止めましょう。
さて、フラですが、あれはただのダンスではありません。ハワイには日本の江戸中期くらいまで文字がありませんでした。で、人々は歴史や文化を言い伝えるような感じでフラを踊っていました。フラの踊りは両手をはじめ身体中をいろいろ動かしますが、あれには文章になるようなストーリーが込められているのです。神話や昔話の踊りが多いのはそのためです。ちょっと違いますが、タチヒアンダンスなどにもストーリーがあるそうです。文字を持たなかったポリネシア系の人々にとってのダンスの意味を勉強してみてもいいかもしれません。
フラの話に戻ります。もともとは、リズムだけにあわせる「カヒコ」という古典フラが踊られていました。巨大なひょうたんのような打楽器「イプヘケ」でリズムを刻み、ダンサーはそれに合わせて時々声を発する原始的なダンスです。キリスト教宣教師がやってきて、入信させるためにフラを禁止します。それを復活させたのが7代目王のカラカウアです。この時、メロディや楽器を取り入れた新しいフラが誕生しました。それが現在、一般的に知られているフラ「アウアナ」です。人々がフラと聞いて思い浮かべる踊りが生まれたのは日本の江戸末期なのです。
写真:Kuni Nakai
へなしゅんの中高同級生で、このサイト中央部分で毎日更新されている「今日の一枚」にも登場する、フラの撮影などでお馴染みのカメラマン。
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- へなしゅん
- 福井県若狭地方生まれ。30歳を越えてからハワイ情報サイトの編集長としてハワイ入りし、ハワイ生活は20年超え。現在は日本で「ハワイ」を追い求める日々。WEBをやっているけれど、WEB技術は20年前レベル。英語も満足に話せないまま。ハワイ史が好きでいろいろ調べたけれど、ハワイの象徴・フラは未経験、ウクレレもハワイ語もすべて中途半端なレベルというダメなおっさん。でも、記事は細かく作っている(つもり)。