届け！ ALOHA ～シェア・アロハ・フロム・ハワイ～ 日本が誇る世界のマジシャン、緒川 集人さんより

昨年、マジック界最大の世界大会「FISM」で日本人初のグランプリに輝いた緒川 集人さん。日本の人気長寿番組や数々の情報番組にも招かれ、その快挙が報じられたのが記憶に新しい方も多いのでは。ハリウッドを中心に世界50カ国以上で活躍する日本が誇るマジシャンが、現在はハワイの「ヒルトン・ワイキキ・ビーチ」で連日開催されている「マジカル ミステリー ショー」で、連日その巧みな技を披露しているのをご存知でしょうか？

そんな集人さんに、ハワイでのご自身の生活や注目されていること・もの、日本のハワイ好きさんにぜひお伝えしたいことなど、いろいろカジュアルに伺ってきました。「届け！ ALOHA ～シェア・アロハ・フロム・ハワイ～ 」企画第3弾、スタートです。

Q. ハワイではどのように過ごされていますか？

A. 1日2回、週6日ショーを開催しているので、ホテルから出ない日もあります。エンタテイナーはアーティストとしての要素もあり、ハワイはそんな自分に向いていると感じています。早朝、日が昇って明るくなってくるビーチ沿いを散歩していると、心のメンテナンスができたり、頭の中で散らかっているアイディアが一つにすっと纏まる瞬間があるんです。自分のいたロサンゼルスや東京の大都会ではなかなか難しいことです。ハワイは、便利な所と自然が丁度いいバランスでマッチしていますよね。日本の方々にとって魅力のある要素が詰まっているのがすごく良く分かります。英語と日本語の文化が長く続いていて、日本とハワイはすごく相性がいいんだな、とも感じています。

散歩していて南国の音楽が流れてくると、自然と台本ができたり、素敵なシーンを見掛けると、その雰囲気をどうやって自分のマジックで作れるかな、と考えたり。“あ、ホテルに戻ってちょっとアイディアを書き留めておこう”といったように、ぼーっと考えていることが多いですね。

あと、仲間たちとカフェにコーヒーを飲みに行くことも好きです。のんびりした空間で話していると、思っていなかったアイディアが出て来るんです。自分の頭をシェイクして、何かを生み出すことが好きなんです。1日4、5杯は飲みますね。

毎日夜遅くにショーが終わるので、その後は道具のメンテナンスをしたり、新しい道具を作ったりしています。マジシャンとミュージシャンをよく比べるのですが、作曲家もいれば、シンガー、シンガーソングライターもいますよね。僕の場合は、自分で作って自分で歌うシンガーソングライター型なんです。マジックの道具も自分で作りますし、アイディアが生まれたら、それを形にしてくれる人に相談して作ってもらう場合もあります。要するに、何でも屋ですね。妻の日本の実家でモノが壊れても、僕が直すことも多いです。

また、マジシャンは心理学の専門家でもあると考えています。心理学を本で学んだわけではありませんが、マジックを始めて37年、お客さんがショーでどういう場面で驚いて普段見せない表情が出て来るのか、どのボタンを押せばどう出て来るのかを日々分析しているんです。それを心理学を専攻していた妻にたまに話す時があるのですが、“どこで覚えたの、そんなこと？”と驚かれるんです。

Q. 注目しているハワイのこと・ものを教えてください。

A. 「マジカル ミステリー ショー」です（笑）。ハワイで始めて1年になりますが、ハワイでは屋内のアクティビティ、更にはナイトタイムのアクティビティがすごく少ないので、ぜひ注目していただきたいです。

ショーを終えて後片付けが終わる頃には、いつも23時を回っているのですが、その遅い時間からでも同僚たちと繰り出せる、朝4時迄営業している韓国料理レストラン「シク・ド・ラク/Sik Do Rak」が僕たちの憩いの場となっています。またその足で、24時間営業で日本の懐かしいものが揃っていて見ているだけで楽しくなる「ドン・キホーテ」に皆で行くのも好きです。同僚の間では、“ドンキが僕たちの「ディズニーランド」、コストコが僕たちの「ユニバーサル・スタジオ」”って呼んでるんですよ（笑）。

Q. ハワイでの最近の出来事、びっくりしたこと、うれしかったことなどを教えてください。

A. 今年7月以降の「マジカル ミステリー ショー」の日本からのお客さんの比率における日々の変動がダイナミックで驚いています。日によっては日本のお客さんが1人の時もあれば、大多数の時もあるんです。ショーは常にバイリンガルでやっているのですが、それによって自分の中の言語のダイヤルを変える作業を楽しんでいます。

Q. ハワイに来たら、行ってみてほしいところや、やってみてほしいことを教えてください。

A. 自然を楽しんでほしいですね。ワイキキビーチでは、防波堤内や自分たちが泳いでいるエリアでも魚が泳いでいるんです。そういうのも自分の子どもたちにも見せてあげたかったんです。ハワイを感じられるバニヤンツリーの木陰でゆっくりしたり、ほのぼのとした雰囲気の「ホノルル動物園」も好きです。

また、ワイキキ・ウォールから見る虹や、ダイヤモンドヘッドから昇る朝日を見るのも大好きです。朝が好きなので、5～6時にはコーヒーを買いにふらっと出て、歩きながら考えごとをすることが多いですね。「シーライフ・パーク・ハワイ」や、そこに行く道中の東オアフの景色も素敵ですね。

Q. ハワイの好きなところ・良いところを教えてください。

A. ハワイの雨も好きです。雨の日は、雨の音を聞いていると心が落ち着くんです。降ってもパッと止んで虹が見えたり、島の風が心地良いですよね。また、ロサンゼルスに20年住んでいた僕にとっては、ふわっとした雰囲気のハワイの言語の響きも好きですし、海も山もすぐ近くにあって、スピリチュアルなものを大切にしている文化も魅力的ですね。日本との親和性を感じます。日本の皆さんにはぜひお越しいただきたいですね。

Q. ハワイの嫌いなところ・困るところを教えてください。

A. マジックの道具を作る素材がや電気のパーツが島では調達できないことが多いので、インターネットでオーダーするのですが、それが期日に来ない時は困りますね（笑）。自分のマジックは誰もやったことのないものも多いので、使う道具も自分の頭の中にあるアイディアを基に自分で創り出さなくてはいけないんです。なので、オフィスには3Dプリンターが3台ありますし、ミシンや溶接のようなこともやります。思い付いたらすぐに形にしたいので、今朝も夏休みで日本から遊びに来ている妻と子どもたちが寝静まっている間に、自分は朝4:30から道具作りに専念していました。

自分の大好きなことに打ち込めて、美しい自然が身近にあって、長期休暇を利用して遊びに来てくれる家族がいて、素晴らしいチームと環境があって、そしてこの様な機会を頂けて、自分は本当に恵まれていると思っていますし、何も文句を言うことはありません。

Q. 今後も集人さんと繋がることができるSNSなどをご紹介ください。

A. 私のインスタグラムのアカウントは@shootogawaです。ぜひフォローして、日本から応援してもらえるとうれしいです。

LeaLeaでは、今後もハワイに暮らし、活躍されている方々をご紹介していきたいと思います。お楽しみに！