ダイヤモンドヘッド・ビーチパークからのこの眺めに、癒されたことがある方も多いのではないでしょうか?サーフィンの人気スポットでもあるので、サーファーは勿論、お散歩やジョギングなどに訪れる人々をいつも変わらず出迎えてくれる絶景です。
誰しもを包み込んでくれるこの景観がいつまでも美しいままでいられるようにと、活動を続けている草の根団体があるのをご存知でしょうか?ハワイでは、ビーチクリーン活動を展開している多くの団体がありますが、今回は「サーフライダーファウンデーション」という非営利団体をご紹介します。
「サーフライダーファウンデーション」は、1984年に数人のサーファーによってカリフォルニアで発足した非営利団体で、今日では日本を含む23カ国で100万人以上の海を愛するサポーターやメンバーによってその活動が展開されています。7月のとある土曜の朝、ダイヤモンドヘッド・ビーチパークで開催されたビーチクリーンのイベントに集まったのは、総勢106名のボランティア。中には、小さな子どもを連れたファミリーの姿もありました。
クリーンナップ活動では、ガラス片や草木などで怪我をしないよう、軍手が必須です。
ゴミ袋片手に、舗装された道を下って、いざビーチへ!
上からは一見綺麗に見えるビーチですが、どんなゴミがあるのでしょうか。皆、思い思いの場に散らばっていきます。
ゴミ第一号、発見。お弁当の食べ残しですね。
そして、日本のメーカーのビール瓶。日本が誇るビールがこのハワイでも愛飲されているのはうれしいと感じる一方、この美しい海を眺めながらビールを楽しんだ後に、どうしてその景観を損ねることができるのだろうと、拾いながら苦々しい思いがしました。
“とは言え、ビーチは意外と綺麗だな”と、写真撮影をしていたのも束の間…
斜面の方を振り返ると、テントらしきものとその辺りに沢山のゴミの影が。。
そしてこちらにも、ホームレスの方々の棲み家となっているであろうテントと生活ごみが。。
テントまでは一定距離を保ち、皆で一気にゴミを収集していきます。場所によっては急斜面かつ砂で足場が悪いので、ゴミでいっぱいになった袋を片手にバランスを崩さないよう、体幹が鍛えられました!また、ビーチクリーンということで、中にはビーチサンダルで参加していた方々もいましたが、こういった茂みの中にゴミが多いので、スニーカーの方が安全ですね。
いっぱいになったゴミ袋を集合場所に運ぶと、主催者が中身を出し、プラスチックゴミや空き缶など、それぞれをカウントしていきます。
この日は約2時間で1,011ポンド(約458kg)のゴミが収集されました。
そして、そのゴミの中で何が多かったか、イベント後に団体がリストにし、参加者全員にメールで共有してくれます。こちらはその一部抜粋ですが、1位は食品のプラスチック包装で1,127、2位はレジ袋で185、3位はペットボトルで173。いずれもハワイが近年、使用を制限しているプラスチックからなるゴミでした。全リストは団体のホームページ(英語)をご覧ください。
「サーフライダーファウンデーション」では、これらの収集されたデータを基に、ハワイ州政府に対して将来の政策を提言しています。自分たちが汗水流した活動が、一時的なビーチの美化だけでなく、きちんと将来に活かされると思うとうれしいですし、さらにやりがいを感じますよね。
最後に、団体のリーダーが参加者皆さんの「マラマ(ハワイの伝統文化と美しい自然環境を守っていくための思いやりの心)」に感謝すると同時に、これからも家族や友人と共に、または1人からでもイベントを立ち上げてできるこのビーチクリーン活動に参加してほしいと、お話しがありました。
そして、腹ペコになったボランティアの皆をサプライズで笑顔にしてくれたのは、カカアコとカイムキに店舗を構え、ローカルで人気のサンドイッチ店「E.A.R.L/アール」からの差し入れ!新鮮でこだわりの素材を使用していると定評の同店、 チョイスしたゴートチーズのグルメサンドも、安定の美味しさでした。
最後に、参加者皆で記念にパチリ。「海が好き」「ハワイが好き」 - 思いが同じであれば、国籍や住む場所が違っても、例え言葉が通じなくても、同じ時間や体験を一緒に楽しく共有できるもの。いつもとは違った、ソーシャルグッドなハワイ旅行、皆さまも体験してみませんか?
<2022/07/26の情報です>
